第14章 大学の推薦AO入試増加で「附属校オプション」の価値高まる
第1節 推薦・AO入試拡大は主に「少子化に悩む大学側の事情」
大学が推薦AO入試を増やしてきた理由のひとつには、定員割れを起こして経営難に陥っている私立大学のニーズがありました。
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https://aoaoi.jp/information/post-16465/
【徹底解説】大学が総合型選抜に注目するのはなぜ ?
2020年11月24日 最終更新日: 2020年12月3日
AO入試は、1990年に慶應義塾大学がはじめて導入し、1991年の大学設置基準の改正をきっかけに、大学改革の一環として2000年ごろから急増した入試選抜方法です。2020年度からは『高大接続改革』により「総合型選抜」と名称が変わりました。
ここまで、大学が総合型選抜に注目する理由を大きく三つ取り上げました。一つ目の理由は、学力試験だけでは測れない、生徒の人柄やがんばりに注目しているからです。二つ目の理由は、大学側は自分の大学の方針に合う、やる気のある生徒を入学させたいと考えているからです。そして、三つ目の理由は、定員割れを起こして経営難に陥っている私立大学を中心に、確実に学生を確保したいと考えているからです。
(略)
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第2節 長期的には「入試形態による学力格差」と「学力が高い生徒が上位校に行けないパラドクス」が起こる
第3節 アメリカ型産業と教育システムへの過渡期
日本の大学入試はアメリカのアドミッション制度に近づこうとしているのではないかという記事。「将来性をより的確に評価」って、凄いこと言ってるなと思います。「言うは易し」ですが、どこまでやるんですかね。私は人間が他人を評価する能力に懐疑的なのですが、まあ「やってみなはれ」と言うしかありません。
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アメリカの大学入試制度と最新動向
将来性評価の進化
アメリカの大学は、入学者選抜において学生の将来性を重視しますが、アメリカの難関大学が「コアリション」という新しいアドミッション・システムを採用し、入学者選抜における将来性評価が新たなステージに進みました。現状のアドミッション(入学審査)では、大学は限られた情報を基に短期間で受験生を評価しなければならないので、学生の将来性を的確に判断しにくいのが難点です。これに対して、コアリションでは、アドミッションが長期にわたって学生の評価を行うことが可能となります。
コアリション・アプリケーションの採用を決めた95校のうち、半数近い46校が2016~2017年度のアドミッションに準備が間に合わず使用できませんでしたが、2017~2018年度では全ての大学でコアリションでアプライできるようになります。
アドミッションにおいて人物評価をより重視するという傾向が強まる中、ACTやSATのスコア提出を任意とするテスト・オプショナルという制度を導入する大学が増えてきています。例えば、オースティン・カレッジも2017年度から新たにテスト・オプショナルを導入する予定で、この流れは今後も続くことが予想されます。
社会に出た時に求められる能力を基準に学生を評価できるようにするという高大接続改革の目標は、将来性評価を基本とするアメリカの大学のアドミッション(入学審査)に通じるものがあります。つまり、日本の大学入試は、アメリカのアドミッション制度に近づこうとしていると考えられます。
アメリカの大学のアドミッションは、将来性をより的確に評価するために、学力以外の評価も重視しています。エッセイを通じて人間としての成長を評価したり、スポーツやボランティア等の課外活動への取り組みを評価したりすることにより、受験生の将来性を多角的に判断します。将来自らの力で人生を切り開いていく能力のある学生を、アメリカの大学は高く評価するのです。日本の高大接続改革では、将来性を「生きる力」という言葉で表しています。日本が取り組んでいるのは、単なる入学者選抜改革だけではなく、高校教育改革と大学教育改革も併せた一体的改革です。そして、この一体的改革の目的は、高校、大学教育を通じて「生きる力」を育むことなのです。文科省は「確かな学力」「豊かな人間性」「健康・体力」を総合した力が「生きる力」だと定義しています。(略)
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第4節 「バランスの取れた人材」から「バランスの取れたチーム」へ。過渡期に起こる問題
東京理科大が推薦入試組と一般入試組の学力格差を公表したことに関して書かれた2015年の記事。東京理科大は留年率の高さがネタになる学校なので、「厳しい愛のムチ」といったところ。しかしこれほどの差があると想像できた人は少なかったのではないでしょうか。
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【衝撃】東京理科大学が基礎学力テストの結果を公開して推薦入試組を公開処刑!「推薦の学生は極めてXXだから対処が必要」
netgeek 2015年4月15日
東京理科大学の教育開発センターは調査報告書(PDF)にて、「推薦入試者は一般入試者よりも極めて基礎学力が低いので対処が必要」と結論付けるデータを公表した。
「FD通信」は東京理科大学の授業満足度や学生の生活実態を報告する報告書だ。
ネット上で公開されているため、誰でも簡単に閲覧することができる。さて、このFD通信の中に衝撃的な報告があることがnetgeek編集部の調査により明らかになった。
学生に対して基礎学力テストを施し、データを分析した東京理科大学。その結果、推薦入試組と一般入試組とでは正答率に大きな違いがあることが分かった。数値を見ると…うわああああああああ!これはひどい!!!
これは誤差では済まされない大きな学力差だ。文構成問題に関してはなんと正答率で約2倍もの差がついてしまっている。推薦入試組の学力がここまで低かったとは驚き…。
このデータに対して東京理科大学は「インパクトのある結果なのでリメディアル教育(学習の遅れた生徒に対して行う補修教育)を施すことが急務。推薦入試組もなんとか大学の講義についているレベルまで引きあげないと社会に旅立ちできない…」と結論づけた。
これは辛辣な講評だ。東京理科大学はカリキュラム、授業ともに非常に厳しいことで有名で留年率が日本一高い大学と言われている。(略)
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第5節 学力が高い生徒が上位大学に入ない!
第6節 「学歴フィルター」の信頼性は下がる
第7節 「私立大の定員厳格化」で混乱に拍車
「一般入試の定員削減」と「私立大の定員厳格化」により私立大の一般入試が難化し、超進学校の生徒がGMARCHを受けるようになったという記事。
また「指定校推薦やAO入試などを積極的に活用した一般クラスの方が、最終的に特進クラスの進学成績を上回る」という逆転現象も起きているようです。
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https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63635
「A判定でも落ちる…」今年も私大入試の難化が止まらなかったワケ
背景に、受験事情の変化アリ
田中 圭太郎
(略)
2019年の大学入試の結果がほぼ出揃った。ここ数年、私立大学の難化が指摘されているが、「今年もさらに難化した」との声が教育関係者から上がっている。
難化の背景には、文部科学省が進める「入学定員管理の厳格化」がある。大学が定員を大幅に超過して入学させた場合は「私立大学等経常費補助金」を交付しないとして、この超過率の基準を2016年から段階的に引き下げてきた。
ただ、2019年は前年と同じ基準だったため、今年は難化に歯止めがかかるのではと期待されていた。しかし、結果的には受験生にとっては厳しい状況が生まれたという。その原因を取材した。
(略)「A判定」でも受からない
大学入試がほぼ終わりを迎えた3月中旬、東京の某中堅私立高校からは、こんな声が聞こえてきた。
「今年は志望校に受からないばかりか、大手予備校の模試でA判定が出ていた大学にも全く受からないケースが続出しました。私立大学の文系学部の難化はこれまで経験したことがないほどで、大変なショックを受けています。難関大学に限らず、全体的に私立大学が難化しているのではないでしょうか」
(略)「中堅クラスの進学校では、特進クラスの生徒はほとんど一般入試で受験をします。しかし、今年は、指定校推薦やAO入試などを積極的に活用した一般クラスの方が、最終的に特進クラスの進学成績を上回る、というケースも出てきているようです」(略)
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私大定員厳格化がひきおこした大学受験の大混乱
現在進行形で起きている激変によって懸念される深刻な影響
2019年11月29日
「入試倍率100倍」の衝撃
私たちがその異変をはじめて知ったのは、去年の6月のことであった。その日、私の勤務校を訪れた県内のある私立大学の方から、驚きの言葉が飛び出した。
「実は、この3月の入試で倍率が3桁になってしまって・・・・」
それはまさに桁違いの衝撃であり、にわかには信じられなかった。その後、来校された他の大学の方々からも同様の報告がいくつもあった。さすがに3桁の倍率は他にはなかったが、その年の一般受験では、遅い時期の入試ほど例年にない高倍率になっていたことがわかった。
原因として大学の方があげたのが「私立大学の入学定員管理の厳格化」の影響である。さらに情報を集めていくと、その影響は単に入試倍率の異常な高騰だけにとどまらず、大学と入学生のミスマッチによる多数の中退者を発生しかねない深刻な問題につながっていることがわかってきた。
(略)「金で大学を縛る」文科省の政策
「私立大学の入学定員管理の厳格化」(以下、定員厳格化)とは、大都市圏の大規模私立大学に学生が集中している状況を改善するため、文科省が2016年度から始めた政策である。
私立大学の予算には国から交付される助成金が含まれており、その額は大学にもよるが、平均して大学の年間収入額の1割前後にもなる。定員厳格化は、所定の枠を超えて入学させる大学に対してその助成金を交付しないという、いわば「金で大学を縛る」政策なのである。
大規模私立大学(定員8千人以上の大学)においては、2015年度以前は入学者が定員の1.2倍未満であれば助成金が交付された。それが、16年度は1.17倍、17年度は1.14倍、そして18年度は1.10倍と、段階的に厳格化が進行してきた。
19年度(現3年生の入試)では、当初1.0倍となる予定であったが、それまでの3年間の措置により一定の効果が見られたことから、1.10倍に据え置かれることになった。これで定員厳格化の影響がなくなった、のではない。厳格化だけを見れば前年度と同じ状況が継続している。さらに、翌年度は新入試制度になることから、浪人を避けて現役合格にこだわる受験生の超安全志向により、入試の混乱は前年度より悪化しているのである。(略)
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3月も終わりだと言うのに追加合格が次々に届いたり、待っていても来なかったりで阿鼻叫喚の掲示板の様子です。しかし追加合格が8000人とか4000人とは、凄い数字ですね。これでは「一般受験はリスクが高い」と思う人が増えてしまうのではないでしょうか。
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今年の補欠合格が狂ってる件:浪人生掲示板 受験BBS
[1]名無しさん sp/iPhone ios13.3.1
2020/03/24 20:57
3月の最初の方の時点で全落ちだったのに今になって3つの大学を天秤にかける事態になった。
各大学のbbsみたら追加合格候補が出てる中で不合格表示だったのに合格になってる人がいたり繰り上げの量が異常なところがあったりする。
一言で言うと、文科省ふざけんな。
[6]名無しさん PC/Firefox
2020/03/25 10:23
うーん、
各大学はせめて、合格発表を何回かに分けて実施することと、それぞれの発表日を事前に公表してほしい。
たとえば慶應は補欠のランクが知らされるだけで、あとは毎日ひたすら待たされ、結局3週間後に繰り上げ無しで終わったりしてる。
慶応の掲示板を覗くとまさに生き地獄。
同志社なんかは補欠合格発表日があらかじめ決まっていて、とりあえず色々と計画することができるので遥かにマシ。
[10]名無しさん sp/iPhone ios13.3.1
2020/03/25 17:03
立命館は今日だけで追加合格が800をこえた
ID:MzE5ODA1Z
9 1
[11]名無しさん sp/iPhone ios13.3.1
2020/03/25 17:05
明日は去年追加合格が4000人をこえた東洋の追加合格の最終発表日
今年は果たして何人追加合格となるのだろうか
(略)
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第8節 大学附属の「オプション価値」はますます高くなる
大学に進める附属高校に進学したものの、結局は外部受験をして早稲田に合格した人の体験談。途中で志望が変わった場合、そのような高校から外部受験を目指すのは不利であると書いてあります。しかしそれでも私は、大学に進むことができる附属のオプション価値は高いと考えます。もし進路が途中で変わった場合にも、こうして対応できるわけですから。ただしそれは普通のことではないので、強い意思と努力が必要になるということですね。
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実録:附属高校に進学したにも関わらず外部受験を決意し、早稲田に合格した私が伝えたいこと
2020/04/10
https://manavo.jp/no141/
注意!附属に進学した私が戸惑った3つのこと
学歴欲しさに大学附属校を選ぶのは危険かも?志望が変わる可能性もある
学校のサポートは薄い・・・。受験の情報戦に遅れをとってしまう
周りの環境は受験とは無縁の独特な雰囲気。確固たる強い意志が不可欠(略)
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アメリカには大学付属高校というものがない、という記事。
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栄陽子 留学研究所
https://www.ryugaku.com/faq/question/entry/id/119
アメリカには大学付属高校というものはありますか?あれば高校留学を検討したいのですが・・
アメリカの高校への留学を考えています。将来はそのままアメリカの大学に進学することを希望していますが、それならば大学付属の高校に行ってもいいかもしれないと思っています。そもそもアメリカには、大学付属高校というものはあるのでしょうか。
アメリカには、大学付属高校というものはありません
アメリカには、大学付属高校というものはありません。かつては、とくに名門私立大学が、その予科部門として高校を設立したということはありましたが、現在では大学に「付属する」かたちで成り立っている高校はありません。したがってそのような形態の高校留学はむつかしいです。(略)
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