(略)
おそらく小学校で、いや人生で最も大きな数学的ハードルは分数ではないかと思います。これが理解できないと比・割合・速さをはじめ、それ以降の数学的な学習はほぼ不可能となります。「最近の大学生は分数ができないので大学に入る前に補習を行っている」と聞きますが、それも不思議ではありません。世の中の「数学嫌い」のほとんどは、そもそも分数からして理解できていないことが原因なのではないかと私は思います。
分数をナメるな!
みんな分かった気になっているだけで、実はわかってないやつが多いんだぞ!
しかし本人たちは「自分は分数がわかっていない」と自覚してはいません。小学校のレベルでは、公式をあてはめるだけで解けてしまう問題が多いからです。また教えるほうも、自分が教えている相手がまさか分数を理解できていないとは思っていません。基本はわかっているのに応用が苦手なのだと思い込んだまま、「比が弱い」「割合が弱い」「速さが弱い」などと表面化した部分だけで判断してしまいます。
しかし実は逆です。分数が理解できていないから、比も割合も速さも理解できないのです。
このように算数は、ひとつの単元が理解できないとその先の学習がほぼすべて無駄になってしまいます。図表 13の学習曲線イメージで言えば、真ん中あたりの急上昇カーブに乗れないのです。すると「わからないから嫌い → 嫌いだからやらない → やらないからわからない」という負のスパイラルが発生し、「数学を回避した人生」を選択せざるを得なくなります。
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