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2020年6月27日土曜日

知恵の実遺伝子(ARHGAP11B)の話




いつも興味深い話題を提供してくれるサイト「ナゾロジー」。

そこに興味深い話がありました。

ヒトと99%遺伝子が一致するチンパンジーにはなく、ヒトだけが持つARHGAP11B遺伝子

これを直接チンパンジーの受精卵に組み込んだところ、「サル胎児の脳が肥大してヒト化した」というのです。

つまりこれが「知恵の実の遺伝子」ではないか、というのです。

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ヒトの脳を進化させた「知恵の実」遺伝子が、サルの脳を巨大化させると判明
ナゾロジー technology 2020/06/19
https://nazology.net/archives/62854https://nazology.net/archives/62854
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    ヒトだけに存在する遺伝子をサル受精卵に組み込んだ結果、サル胎児の脳が肥大しヒト化した
    ARHGAP11B遺伝子は「知恵の実の遺伝子」である可能性がある
    人類の先祖もARHGAP11B遺伝子を得たことで、ヒトへの進化がはじまった

チンパンジーの遺伝子は人間と99%一致していることが知られていますが、ヒトの脳はチンパンジーよりも3倍大きく、構造にもかなりの違いがあります。(略)

ARHGAP11Bと呼ばれる遺伝子だけは、どのサルにもなく、ヒトのみにあったのです。

そこで日本とドイツの研究者は、この異端であるARHGAP11B遺伝子こそがサルとヒトを隔てる決定的な違いであると考え、この「知恵の実」とも言うべき遺伝子を、サルの受精卵に組み込み、どんな脳を持つサルが生まれてくるかを待ちました。

結果は……研究者たちの予想を超えたものになりました。

受精から100日が経過したサル胎児の脳は、通常の胎児に比べて大脳新皮質が2倍の厚さになり、脳細胞を生成する幹細胞の数も大幅に増加したのです。

さらに変化は単純な大きさや細胞数の増量に留まりませんでした。

この時期のサル胎児にはみられないシワ構造が現れはじめ、増加した細胞をヒトの脳のように効率的に折りたたんで収納しようとしはじめたのです。

また脳のミクロな構造を調べた結果、上層部の細胞数が劇的に増加しており、脳の細かな部分もヒト化していることが判明。

受精から100日後「知恵の実の遺伝子」を組み込んだサル胎児は、最もヒトに近い生物になりはじめていました。

このとき研究者は「このまま子供を出産させるか、中絶させるか」の決断に迫られました。(略)
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遺伝子解析によると、ARHGAP11B遺伝子の原型はヒトとチンパンジーが枝分かれした500万年前に出現したとのこと。

しかし約150-50万年前に単一塩基の置換(シトシンからグアニンへ)が起こり、現在のARHGAP11Bが誕生したそうです。

つまり二段ロケット方式でサルからヒトへの進化を加速させた、ということですね。

すると私が「高知能者のコミュニケーショントラブル2」に書いているようなネオ人類の登場も、全く荒唐無稽な話ではないということになります。

何かの拍子に知能が発達した人類が登場すれば、長い時間をかけてホモサピエンスにとって代わってゆくのかもしれません。

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遺伝解析により、ARHGAP11B遺伝子の原型(旧ARHGAP11B)はヒトとチンパンジーが枝分かれした500万年前に出現したと考えられます。

この時点の旧ARHGAP11Bは「知恵の実の遺伝子」としてはまだ不完全であり、現在の私たち人間がもっているものとは異なります。

しかし約150~50万年前、さらに単一塩基の置換(シトシンからグアニンへ)が起こり、リーディングフレームがシフトして47の新たなアミノ酸配列が生じ、現在のARHGAP11Bが誕生しました。

私たちホモ・サピエンスの登場はおよそ40万年前と考えられており、150~50万年前に起きたARHGAP11Bの変異は、上の図のように、脳容量を爆発的に増加させ、人間を人間らしくする最後の一押しになった可能性があります。(略)
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そしてこの遺伝子は「知的障害」「統合失調症」「てんかん」などを引き起こすそうです。

「大きすぎる脳は自閉症を含む様々な神経障害や行動障害を発生させる要因になる」とも書いています。

やはり知能(≒大脳)を発達させたことの代償という面があるんですね。

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(略)近年の研究によって、ARHGAP11B遺伝子は、先天的な「知的障害」「統合失調症」「てんかん」などを引き起こすことが知られています。

ARHGAP11B遺伝子は人間の頭部を巨大化(巨頭化)させましたが、大きすぎる脳は自閉症を含む様々な神経障害や行動障害を発生させる要因になりました。

ですが今後、ARHGAP11B遺伝子に関する研究が進めば、脳障害に対する新しい種類の治療薬の開発につながると期待されます。(略)
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ということで、発達障害と呼ばれる人々はある意味「人類のフロントランナー」かもしれないわけですよ。

先走り過ぎて生き辛いかもしれませんけど。

それを自覚した上で、社会とうまく付き合う方法を模索して行きたいですね。

(終)

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